ジャンボジェット機時代の終焉

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2013年10月17日

ジャンボジェット機時代の終焉

こんばんは、飛行機大好き、
エアー滝川@マネテク!です。

航空業界の未来について、
なかなか興味深い記事があったので紹介しておきたいと思います。

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photo credit: Wendy Longo photography via photopin cc
・急速に迫り来るジャンボジェット時代の終焉:JBpress(日本ビジネスプレス)

急速に迫り来るジャンボジェット時代の終焉



 エアバスは今週、日本航空から、複合材を使った燃費効率の高いジェット機「A350」の受注を獲得し、これまでボーイングが支配してきた市場に参入した。

 これはボーイングの主張を裏付けることにもなった。10年以上前にボーイング「747」に対抗するスーパージャンボ「A380」の建造を決めたエアバスの判断に象徴される、壮大な航空プロジェクトの時代が終わったということだ。

 航空会社はジャンボ機を求めていない。安く飛ばすことができ、配備が容易な中型機を望んでいる。リチウムイオン電池の出火を止めることができれば、ボーイング「787」はまさにそんな航空機になる。

ボーイングの判断は正しかった



 まだ残っている大規模プロジェクトの支持者が、ロンドンのボリス・ジョンソン市長だ。市長はヒースロー空港を閉鎖し、400億ポンド投じてロンドン東部に新たなスーパーハブ空港を建設したいと思っている。フランス大統領としてパリ改造計画を手がけ、弟が一時、アエロスパシアルの経営トップを務めたフランソワ・ミッテランでさえ、この計画は野心的だと思ったかもしれない。

 ジョンソン市長の構想は、虚栄心を満たすためのプロジェクトの気配が漂うだけでなく、ボーイングが「コンコルド」の後継機として「ソニック・クルーザー」を造ろうとした頃のような前時代的な印象がある。その後、原油価格が上昇し、航空会社が燃費を重視するようになったため、ボーイングは2003年に787の開発に切り替えた。一方、A380に150億ドル投資したエアバスは、航空会社に強く押され、やっとA350でボーイングに追随した。

 ボーイングは正しかった。エアバスはA380の開発費を回収できる見込みがなく、最低限の利益を上げるのに必要な年間30機の受注を獲得するのに苦労している。一方、日航やルフトハンザなどの航空会社は、音がうるさく、燃料を食う747型機を退役させ、柔軟性の高いA350型機や787型機を購入している。

 「A380はニッチな航空機だ」。エージェンシー・パートナーズのアナリスト、ニック・カニンガム氏はこう言う。「ニッチは存在するが、それほど大きくない」

 A380は機体が巨大なうえに、エンジンを4基搭載している。エンジン4基の構成は、エンジン2基の「777」に対して「A340」が競争力を欠いた理由だ。今ではエンジン2基でかなりの距離を安く飛べる。

 だから、ボーイングは日本で嘆くのではなく、むしろシャンパンを開けるべきだ。数十年間使われた技術を覆し、航空機の胴体と翼と尾部の大部分をアルミニウムではなく軽量な炭素複合材で造ることでボーイングが打って出た賭けは、見事に当たった。787もA350も、使われている材料の半分は複合材だ。

過去の過ちから学んだエアバスとボーイング



 エアバスがA380で間違った航空機を造ったことは、ボーイングにまた別の戦略的優位性を与えた。ボーイングは2020年までに787やA350よりサイズが一回り大きい777をアップグレードする計画で、その時には、最も人気の高いワイドボディ機のラインアップがエアバスより大きくなっている。

 だが、ボーイングは先駆者として熱心過ぎた。複合材は数度の遅延の後でうまく機能したが、まだバッテリーに問題があり、777を十分迅速にアップグレードできなかったためにエアバスにチャンスを与えることになった。

 ティール・グループのアナリスト、リチャード・アボラフィア氏は、ボーイングは「怪しい経営のせいで身動きが取れない、近代的で競争力がある天下一品のジェット機を持っている」と言う。

 形は違うが、ボーイングもエアバスも10年前に野心が過ぎ、過剰なリスクを取り、現在、その結果に耐えている。エアバスのミスは戦略的なもので、ボーイングのミスは技術的なものだった。過去の新型機導入から判断すると、この2つの大失敗のうち、2番目の技術的な問題の方が解決しやすい。

 両社は過去の経験から学んだ。エアバスは旧来のナローボディ機「A320」に代わる新型機を開発するのではなく、新しいエンジンを搭載して既存機をアップグレードした。この「A320ネオ」はよく売れている。同じように、ボーイングの「777X」は、787型機の一部技術を使った777の進化版だ。

なぜ今、スーパーハブ空港なのか?



 こう考えると、スーパーハブ空港から飛び立ち、1機当たり500人以上の乗客を運ぶ航空機に支配される航空業界の未来に対して大きな賭けに出ることでエアバスの失敗を繰り返すことは奇妙だろう。

 だが、ヒースローに代わる巨大な新空港を、恐らくはテムズ川河口の埋立地――いわゆる「ボリス島」――に建設すべきだというジョンソン市長の要求の裏にあるのは、そうした考えだ。

 ヒースローの2本の滑走路は、使用率が処理容量の98%に上り、遅延がよく生じるが、欧州大陸のハブ空港は空いている。アムステルダム近郊のスキポール空港には滑走路が6本ある。ジョンソン市長は、ヒースローに3本目の滑走路を設けたら騒音が激し過ぎるし、スーパーハブ空港が必要だと主張する。航空会社はガトウィック、スタンステッドのような空港に切り替えることを望まないというのだ。

 空港拡張に関する決断を2015年の総選挙後まで先送りするために英国政府が創設した空港委員会のハワード・デービス委員長は、今後数十年でイングランド南東部に「ある程度の追加的な滑走路処理容量」が必要になると語っている。彼は正しいが、「ある程度の処理容量」は「海に浮かぶドバイ」を意味しない。

秩序が大きく変わる可能性



 実際、機体のサイズと燃費効率の変化が、空の旅のパターンと、ハブ空港と比較的小さい空港とのバランスに重大な影響を与える可能性がある。現在、ボーイングとエアバスに対する需要が大きい航空機は、ハブ空港から飛ばすこともできるが、その一方で、各都市を結ぶ2地点間のフライトを運航するために使うこともできる。

 例えば、ヒースローからニューヨークに飛ぶ便は1日25便前後ある。もしライアンエアーやノルウェー・エアシャトルなどのLCCがガトウィックやスタンステッドから787型機やA350型機を飛ばせば、ヒースローから乗客を奪い、こうした既存便に影響が出るかもしれない。もしヒースローに住宅などを建て、スーパーハブ空港を建設している途中でそうした変化が生じたら、計画した人たちは愚かに見えるだろう。

 今や効率と柔軟性の方が機体のサイズより重要になった業界にあって、エアバスはもともと建造する計画ではなかったジェット機で日本で勝利した。航空の未来を夢想するビジョナリーたちは、このことに留意した方がいい。
エアバスがA380を出した時はすごいと思いましたが、
やはり戦略的には失敗だったようですね。

個人的にはハブアンドスポークのモデルは
まだまだ当分は有効だとは思いますが、
そう遠くない未来に崩壊する可能性を秘めているとも思います。

利用者からすれば、ハブ空港で乗り換えるより
直行便の方が明らかに便利ですし、
航空会社としても採算が取れるのであれば飛ばさない理由はないでしょう。
そしてこのような動きがさらにハブ空港のモデルを崩壊に向かわせるわけです。

さらに、マイナー路線が採算を確保し、
運航を継続するためのビジネスモデルの一つがLCCだと思います。
そういう意味では、LCCによって
旧来のハブアンドスポークモデルが破壊される、
という見方もできるかもしれません。----- EXTENDED BODY PRIVATE:

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by ジョージ滝川 at 10:54 │ Comments(0) ニュース  
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